はにわは、新聞を読んでいた。 うむむ、となりのうちにドロボーが入ったのかぁ...。 最近、どうも物騒になってきたなぁ。 それはともかく、そういえば、今日は、百貨店でセールがあるんだった。 はにわは急いで支度を整え、出かけた。
はにわはセール品を買い込み、帰る途中、「防犯福助」を売る露店を見つけた。 防犯福助かぁ。うちも気をつけた方がよさそうだなぁ。 ただおじぎをして後頭部を見せているだけの福助が、どういう風に役に立つのかわからなかったが、とりあえず、厄除けのお守りのつもりで買ってみた。
ある夜のことだった。 就寝中だったはにわは、がたん!という物音に気づき、目が醒めた。 ま、ま、まさか、ドロボー!??! 驚きと恐怖を抱きながら、はにわは、そーっと音がした部屋へ近づき、開いたドアから中の様子を伺った。
はっ!はにわは、びっくりした。 そこにはドロボーの姿があった。 金品やはにわのお気に入りの壷を袋に詰めている。 ひ、ひどいィ....。 でも、怖そうなドロボーだったので、怖くて叫ぶ勇気がなかった。 5000円も出して買った防犯福助も役に立たな過ぎる。 はにわは、目に涙を溜め、ただただ立ちすくむだけだった。
その時だった。 ドロボーのすぐ後ろでおじぎをしていたはずの防犯福助が、顔をあげた。 そして、「ドロボー!ドロボー! 」と大声で叫び始めた。 ドロボーは、誰もいないはずなのに、すぐ真後ろで声がして、びっくりして何もとらずに逃げ去っていった。
福助はドロボーが去っていくのを見届けると、またおじぎをして、置物の福助に戻ってしまった。 一部始終を見ていたはにわは、頭の中がこんがらがった。 とりあえず、お気に入りの壷は取られずに済んだのだから、ほっとして、また眠りについた。
ただひたすらおじぎをする福助を見た。 くすぐってみたら顔をあげないかな? そう思って、福助の脇腹をこしょこしょとくすぐってみたが、やっぱりお辞儀をし続けていた。
きのうの出来事は夢だったのかな? そう思いながら、はにわは、朝食をとったのだった。
今日も防犯福助は、人知れず、防犯をしているのだった・・・。