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  麦チョコ

はにわ達の間でポピュラーなお菓子に、麦チョコがある。
パフパフした歯ごたえに、さりげないチョコのコーティングが醸し出すハーモニー。
そして、不揃いな粒の集まりがまた何ともいえない。
チョコの中にちゃんと麦がはいってるの?チョコだけじゃないの?と思うくらい小さい粒から、これは2粒分の麦では?と思えるくらい大きい粒がはいっていたり、さらに、たまぁに2粒がくっついて、仲良く一緒にチョコでコーティングされていたりするのを見つけるのが、また楽しかったり。そんなポップな食べ物を、はにわ達が見逃すわけがない。

はにわ村にあるスーパーやコンビニには、当然のことながら、麦チョコが置いてあり、多くのはにわ達が買っていく。
当然人気のある商品なので、麦チョコを作るお菓子メーカーも多い。
当然、その麦チョコのメーカーの間でも、販売競争が展開されるのだ。
これは、ある麦チョコのメーカーが企画したプレゼントに起因する物語である。

ある麦チョコのメーカーが、従来の中が見える透明な袋のではなく、紙の箱に入れることにした。
「3粒くっついている麦チョコがはいっていたら、もう1箱プレゼント!」というプレゼント企画ができたからである。
ギャンブル好きなはにわたちは、当然のことながら、もう一つ貰えると嬉しいので、他のメーカーを捨ててこのメーカーの麦チョコを買おうとするのである。
毎日毎日、スーパーやコンビニでは、真剣な顔をして、麦チョコの箱をがさがさと振っているはにわ達がよく見られるようになった。
3粒くっついた麦チョコが入っていそうな箱を探すため、箱を振った時の音と振動から、3粒くっついたのが入っているかを判断しよう、という企みである。
そして、彼らはうちに帰って、麦チョコの箱を開けて幸せに浸りながら食べつつ、3粒くっついたやつを探すのだ。
「ちっ、デカいのが入ってる気配があったけど、3粒じゃなくってデカいのが2粒くっついてるだけかぁ・・・。」
「やったぁ!小粒だけど、よく見ると3粒くっついてる!!危うく一粒だと思って食べちゃうところだったぁ!」
そんな会話がはにわ村の至るところで聞かれる。
当然のことながら、このメーカーの麦チョコは群を抜いた売り上げを誇ることになった。
ただでさえ食べると幸せな麦チョコに、こんな喜びが追加されたのである。
今、はにわ村では、例年にない麦チョコブームとなったのである。

しかし、残念なことに、最近では、「3粒くっついている麦チョコがはいっていたら、もう1箱プレゼント!」企画は中止になってしまった。
なぜなら、くっついてない粒を、火の近くで温めてチョコを溶かした上で、もう1粒、さらにもう一粒をくっつけて、3粒くっついた麦チョコ偽造事件が多発してしまったのである。

平和なはにわ村も、最近は物騒になってきた、という、ちょっと悲しい事件だった・・・・。