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  ギョーザ

ある日、カエルは電車に乗って、街の百貨店に出かけた。
食べ物にこだわるカエルのこと、当然、地下の食料品売り場はチェック対象である。

カエルは、食料品売り場をぶらぶら歩いた。
ここの店のお惣菜、美味しいんだよね。あ、このおせんべぃやさんも、なかなかいける。
おお、このケーキ屋は、季節限定のケーキを出してるな、おしいそう!などなど、思っていたとき、ふと行列を見つけた。

なんだろう?この行列は・・・。
先頭の方まで歩いていって、店を確認してみると、いかにもスタミナ満点!というニオイを発する餃子やさんだった。
なんだか、身がぶりっとしてそうでおしいそう。これだけ行列ができるからには、うまいに違いない!
そう思って、行列の最後を探して並んだ。

なんとか餃子を買ったカエルは、満足だった。
しかし、はっと気づいた。そうだ、これから電車で帰るんだ。あの密室で、この餃子のニオイが充満することを考えると・・・。
カエルははっと気づいた。とりあえず、ニオイの発生源だとバレないように、かつ、ちょっとでもニオイが外に漏れないように、と配慮して、餃子をカバンの中に詰めた。ニオイがカバンにつくけれど、背に腹はかえられない。

 

カエルは何食わぬ顔をして、電車に乗り込んだ。電車は、ぱらぱらと立ち客が出るくらいの混み加減だったので、カエルは、カバンを抱え込んで、椅子に座っていた。

はっと気づいたら、電車に餃子のニオイが充満しはじめていることに気づいた。
や、や、やばい!

カエルは内心焦りながら、平静を装った。
しかし、餃子のニオイはどんどん充満していく。。。

カエルは、目だけ動かして、周りの様子を伺った。
ニオイに気づいて、ニオイの発生源を見つけようと、きょろきょろしている人の気配を感じたが、しかし、素知らぬ顔、素知らぬ顔・・・。

次の駅は、カエルが降りる駅だった。
ふぅ、やっと着いたかぁ。カエルはほっとしたと同時に、自分が動くと、餃子のニオイの空気も動いて、通り過ぎる時にニオイの発生源が自分だとばれてしまう!


うーん、困った、カエルにとって、こんなに恥ずかしいことはない。
電車が駅に到着し、カエルは立つか立たないか、悩んだ。
と思った瞬間、すぐ隣に座っていたおばさんが、降りるらしく、席を立った。カエルは、そのおばさんが手にいかにも食べ物をいれているような袋をぶら下げているのに気付き、ナイスアイデアを思い付いた。カエルは何食わぬ顔をして、おばさんに寄り添うように、電車を降りた。そう、ニオイの発生源をおばさんであるかのように、見せかけたのだった。

カエルは、ほっとして家路につき、うまい餃子を食べ、自分の完全犯罪に酔いしれたのだった。