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  お役立ち人形・カエルの場合

カエルは、最近、シュークリームに凝っている。
といっても、その辺のコンビニで売っているようなシュークリームではなく、カスタードクリームが舌にざらつかず、甘すぎずにこくのある味、生クリームはどろっとせず、ホイップされて角がたちそうなのが基本である。
カエルの住んでいる町には、彼が求めるようなシュークリームは売っていなかった。

ある日、そんなシュークリームを求めて、カエルは、隣り町へ出かけた時に、お役立ち人形を見つけた。
へぇ、役に立つのかな?かわりに、今探しているシュークリームを探してきてくれるのかな?と思って、お役立ち人形を購入した。

お役立ち人形の電源をオンにして、シュークリームを探してきて、と頼んだ。
すると、お役立ち人形は、手を差し出した。
なんだぁ?あ、シュークリームを買うお金は出して、ってことか。
適当にお金を渡し、買いにいかせた。

カエルは、すぐ近くにあった喫茶店の窓際の席が空いているのを見つけると、雑誌を買い込んで、コーヒーでも飲みながらお役立ち人形の帰りを待つことにした。
カエルは,コーヒーも飲み干してしまい、読んでいた雑誌にも飽きてしまい、そっと窓から外をのぞくと、お役立ち人形が袋を持ってやってくるのがわかった。

カエルは会計をすまし、外へ出て、お役立ち人形を迎え入れた。
「あった?」
カエルは、差し出された袋を受け取ると、中にはシュークリームが3個入っていた。その1つを食べはじめた。
「・・ん!うまい!」
カエルの希望どおりの品である。
カエルはうれしくなり、1つをお役立ち人形にすすめた。
すると、お役立ち人形は、両手を振ってあたふたと断った。
「なんだ、もしかして、このシュークリームにたどりつくまでに、いちいちシュークリームを食べてまわったのか?」
お役立ち人形は、遠慮がちにゲップをしながらうなずいた。
聞いてみると、どうやら、このシュークリームにたどりつくまでに、8個のシュークリームを食べたらしい。
お約束のおやつも、もういらない、と断ってきた。

こだわり派のカエルは、このお役立ち人形がとても気にいった。
カエルは何かとこだわりだらけの希望の品をいっては、いろいろ買ってきてもらっていた。

しかし、最近、はっと気づいた。
ちょっと動くだけで、息をぜーぜーいわせていることに気づいた。
よく見ると、お役立ち人形が日ごとに横に肥大化してきているのだ。
どうやら、カエルのこだわりのせいで、お望みの品を見つけるための試食が多すぎるのが原因らしい。

カエルは、食べたいものを注文するたびに、肥大化していくお役立ち人形に戸惑いつつも、やっぱり頼んでしまう今日この頃だった・・・・。