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  いたずら

便利冷蔵庫に、ネットワーク機能を利用して、便利冷蔵庫を持っている人同士でモノを送りあう、という機能が追加された。例えば、ひとり暮らしの子供へ、おふくろの味の料理を送ってあげたり、誕生日プレゼントにケーキを贈ったり、と、使い方はいろいろだ。
「けっ、確かに嬉しいけど、でも、またこの間みたいに、ウイルスに感染したり、いろいろ問題出てきて大変だろな。」
トリは、バージョンアップのお知らせを読みながらクールにつぶやきながらも、なんだか便利そうだったので、バージョンアップをした。

トリは、今日も残業で遅かった。
「けっ、あいつ、俺に仕事を押し付けて、のんきにサッカーなんかみにいきやがって。おかげで、今日はたまに早く帰れると思ってたのに、また残業じゃねぇか、ちっくしょう。」
トリは、サッカーを見に行った同僚を恨みながら、ぶつぶつ文句をいいながら仕事をしていた。

トリは、なんとか終電に間に合って家に帰ると、頼んだ覚えがないのに、便利冷蔵庫に品物が届いたことを知らせるランプが光った。
「あれ?おれはなにも頼んでないぞ。」
トリは不審がって冷蔵庫を開けてみると、とっととサッカーを見に行った同僚からの冷えたビールのプレゼントだった。トリは、ビールについているメッセージを読んだ。
「なになに、今日は仕事をおしつけてごめん、だと?けっ、かっこつけやがって。」
ちょっとおセンチになりながら、トリは、冷えたビールをあけ、ぐびぐびのんだ。
「ぷはぁ。うめぇ。」
トリは幸せに酔っぱらった。
「いやぁ、便利冷蔵庫の新機能もなかなかいいかもな。」
トリはアルコールもまわって、御機嫌だった。

ある日のことだった。また便利冷蔵庫に荷物が届いた。
「あれ?まただれかからのプレゼントかなぁ?」
トリは冷蔵庫をあけた。
「げっ!なんだこりゃ!」
トリは、荷物についているメッセージを読んだ。
「不幸のくさやだと?早く誰かに送らないと、冷蔵庫がくさや臭くなる、だと?だれだ、こんないたずらしやがって。けっ、どこの世界でも、変なことを思い付くやつがいるもんだな。」
トリは、ぷぷーんと冷蔵庫に臭いがひろがる「くさや」を見て、やっぱ、たまらん!と思って、その「不幸のくさや」を同僚に送った。

しばらくすると、電話が鳴った。さっき、不幸のくさやを送りつけた同僚からだった。
「なんだよ、不幸のくさやなんか送ってくるなよ。おまえ以外のやつからも、同じ不幸のくさやが送られてきて、迷惑なんだぜ。あー、くっせぇ。人に送ったのに、まだ冷蔵庫にニオイが残ってるぜ。まったく、悪質ないたずらだぜ。」

同僚と電話で話している途中、トリの冷蔵庫の荷物が届いたお知らせがきた。トリはあせった。まさか・・・。冷蔵庫をあけると・・・。げっ!また、不幸のくさやが!
トリは誰かに急いで適当に宛先を書いて不幸のくさやを送った。
・・・そのうち、「不幸のくさや」事件も自然とおさまり、トリは、ほっとしていた。

またある日のことだった。いつものように、便利冷蔵庫に注文した冷えたビールを飲もうとした時だった。冷蔵庫が荷物のお届けを知らせた。なんだろ?さっき、ビールは届いたし。ふと、冷蔵庫のトビラをあけると・・・。そこには、キョーレツなにおいを発散させる「不幸のドリアン」があった。
「うわぁ!不幸のくさやの次は不幸のドリアンかよ!」
トリは、急いで知らない人に送りつけた。ふぅ、っとほっとしているのもつかの間、また冷蔵庫が荷物のお届けを知らせた。
「げっ!また、不幸のドリアンだ!」
トリは、また適当に知らない人に送りつけた。

 

その頃、はにわは、便利冷蔵庫の荷物のお届けに気付き、冷蔵庫をあけた。
「あ!ドリアンだ!こないだは、くさやだったっけ。ネットワーク機能がついてから、便利冷蔵庫は、おいしいものがいっぱい運ばれてきて、らっきぃ!」
はにわは、ドリアンを取り出し、むしゃむしゃとほおばった。

・・・そして、「不幸のドリアン」事件も、自然とおさまった。