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  カラオケ

最近トリは残業続きでストレスが溜まっている。
たまの休日には、ストレス発散で友達と一緒にカラオケに行ったりする。
トリが好んで歌う曲は、ストレスを思いっきり発散できる激しく疲れる曲で、喉を酷使して叫ぶように歌うのだ。
トリは、今日も狂ったようにいっぱい歌った。

翌日、会社の出勤日だった。
朝起きたとき、喉がガラガラしているのに、気づいた。
あーあーあーと発声練習をすると、どうやら声も相当枯れている。
トリは一瞬、風邪でもひいたかな?と思ったが、すぐに昨日のカラオケのせいだ、ということを悟った。
歌い過ぎたかな?とちょっと反省した。

そして、トリは会社に出社した。仕事中、ときどき咳がごほごほ出たるので、昨日のカラオケで歌い過ぎたことは明らかだった。
コーヒーで喉を潤しても、やっぱりすぐに咳が出てしまう。確かに昨日は調子に乗って、激しく歌っちゃったしなぁ・・

そんな状態で、やっと定時の時間がやってきた。
しかし、トリに定時などない。当然のことながら、これから残業である。

ごほっごほっ。まだ咳がでるなぁ・・・。さすがに歌いすぎちゃったかなぁ。
他人の歌まで一緒に歌って盛り上がっちゃったからなぁ。

すっかり残業することを当たり前だと思って、そのまま仕事をしていたトリだったが、ごほっと咳をした瞬間、上司がトリのすぐ近くを通りかかった。
「今日はよく咳をしてるけど、風邪でもひいたの?最近、仕事も大変そうだから、今日は早く帰って明日に備えて休養とった方がいいんじゃないの?」
気が利かない上司が、珍しくトリに対して言ったのだ。
トリはその言葉を聞いて、とっさに答えてしまった。
「はぁ・・・・。どうも体調を壊したみたいで・・・。」
と、わざとごほごほさせて、だるそうな表情をしてしまったトリだった。
上司は、可哀相に・・・という顔をしてそのまま去っていった。

トリはすかさず、目をトロンとさせて意図的にだるそうな雰囲気を醸し出し、
「お先に失礼します・・・ごほっ。」
と弱々しい声に咳を1つおまけにつけて、周りに哀れさをアピールして、とっとと会社を後にした。

夕日が照りつける駅までの道を歩き、太陽が出ている時間に帰るなんて、何ヶ月ぶりだろうか?と、しみじみ思った。

・・・そして、来週もカラオケに行っちゃおうかな?と、ふと思ったトリだった・・・。