トリは、ある電機メーカーに勤めるサラリーマン。対した給料をもらっているわけじゃないけど、平日は、それなりに働いて、国民のお休みの日はしっかりと休み、ごく平凡な暮らしが保証されている。
と、トリも自分が就職を決めたときはそう思っていた。
しかし、現実はそうはいかない。会社のスケジュールに併せて歯車として動く、しがないサラリーマン。
今日は金曜日だ。今日一日をなんとか過ごせば、待ちに待った週末である。平日の会社生活は週末の幸せを噛みしめるための試練の場に過ぎないのだ。
さぁ、今週末は、どう過ごそうか。
いつも昼間で寝て、洗濯してテレビを見てると、あっという間に夜になっている。それもなんなので、今週は映画でも見にいこうかな。
いやいや、ベストセラーの本を買い込んで、読書三昧、というのもいいかも知れない。思い切って、どこか小旅行に出るのもいいかも知れない。
そんなことを仕事中に考え、にやにやしていた時だった。
上司がつかつかと目の前にやってきた。
「今週末、休日出勤の届け出を出しといたから。休日出勤手当てはちゃんとつくから、貯金もたまるよ。ははは。」
その一言で、人生の楽しみを奪い去られたような大打撃を受けた。
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